検査について

検査について

X線単純撮影

X線単純撮影検査は、放射線検査の中で1番多く行われている検査です。

  1. 検査対象部位は全身で、胸や骨の写真など、一般的に広く普及している検査です。
  2. 検査による被ばくは低線量域で少ないです。
  3. 検査部位によって異なりますが、撮影体位を取り撮影の間、数秒間は動かないようにします。
  4. 検査部位の金属やプラスチック、湿布などを外します。
  5. 検査時間は一般的に5分~10分ほどです。
X線単純撮影

X線CT検査

CT検査は、Computed Tomography(コンピューター断層撮影)の略語で、身体の横断像(輪切り画像)が得られ、病気の診断にとても役に立つ検査法です。

検査対象は、脳、胸部、腹部、骨格、乳房や軟部など、身体のほとんど全ての部位です。

  1. 全身の目的部位を輪切りの断層像として撮影する検査で、単純X線検査ではわかりにくい内部の変化をとらえることが可能です。
  2. 検査のX線被ばく線量は中線量域で中程度です。
  3. 寝台に横になり部位により呼吸を止めて撮影します。
  4. 撮影部位の金属類を外します。造影剤を使用する場合、食事制限や問診表、検査承諾書が必要です。
  5. 検査時間は5分~20分です。
X線CT検査

MRI検査

MRI検査は、Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略語で、強い磁場と電波を使って体内の水素原子の磁気共鳴現象を測定し、人体の内部構造を画像化する検査法です。

  1. 全身の目的部位をいろいろな方向の断層像として、X線CTよりも組織コントラストよく撮影することができる検査です。
  2. 放射線を使いませんので、被ばくはありません。磁石の力を利用して撮影します。
  3. 全身の金属類や湿布などを外し、検査着に着替えて寝台に横になります。狭いトンネルの中に入り、撮影中には大きな音がします。
  4. 体内に金属類やペースメーカーなどが入っている場合は、事前にMRI検査は適応か否かの確認が必要です。また、造影剤を使用する場合は問診表と検査承諾書が必要です。
  5. 検査時間は10分~40分です。
MRI検査

消化器X線検査

胃や大腸などの消化器は、X線吸収差がほとんどないために、造影剤を飲んだり注入したりして検査します。

透視装置を用いて検査するために他の検査に比べて時間がかかることもあります。

  1. 主に胃や腸を調べる検査です。
  2. 検査によるX線被ばくは低線量域で比較的少ないです。
  3. バリウムなどの造影剤を飲む、または管などで注入していろんな方向から撮影します。
  4. 食事制限があります。
  5. 検査時間は10分~1時間ほどです。
消化器X線検査

骨密度測定検査

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の成分量である骨量が減少してスカスカとなり、骨がもろく折れやすくなる病気です。

骨量は成長期に増加して30~40歳代で最大に達し、それ以降は、年齢とともに減少します。

骨量が極度に減少し、骨折しそうな状態が骨粗鬆症で、大半は高齢からくる老人性骨粗鬆症です。

骨密度は男性の場合は30歳代以降に加齢とともに減少し、女性の場合は、女性ホルモンのエストロゲンが、骨量を維持するはたらきがありますので、エストロゲンの分泌が減る40代後半からは急激に骨量が減少し、更年期以降からは骨粗鬆症になる女性がふえてきます。

また、最近は、若い世代の女性もダイエットや運動不足から骨密度が減少していることが少なくありません。

一度減ってしまった骨量は、なかなかもとに戻すことはできません。

しかし、減少を止めて症状をやわらげることはできます。

早めに骨量検査を受けて自分の骨の状態を知っておくことが骨粗鬆症の予防につながります。

骨量測定にはいろいろな方法があり、測定する骨の部位も検査法によって違います。

おもな検査法に、X線を使う検査方法と超音波を用いる測定法があります。

骨密度測定検査

超音波(エコー)検査

体の表面から対象となる臓器に超音波(人間の耳では聞き取れないほどの高い音波)を発信し、そこから帰ってくるエコー(反射波)を受信、コンピューター処理した画像を用いて診断する検査です。

また放射線を使用しないため、繰り返し実施できる利点があります。

検査する部位により、腹部エコー・表在(乳腺・甲状腺等)エコー・心臓エコー・頸動脈エコー・下肢動静脈エコーなどに分けられます。

腹部エコー
主に肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓・膀胱などを見る検査です。
体内にできた結石(胆石・腎結石等)や腫瘍、脂肪肝などが診断されます。
検査前の食事を抜いていただくとより正確な結果が得られます。
表在エコー
乳がんや甲状腺がんの診断や体表面にあるリンパ節の状態を調べます。
心臓エコー
心臓の動き・弁の状態・大きさなどが観察されます。
頸動脈エコー
動脈硬化の程度や血流の状態を調べ、脳梗塞の予防に役立ちます。
下肢動静脈エコー
血管内の血栓の有無や動脈の狭窄を調べます。
超音波(エコー)検査

血管造影検査・IVR

血管造影検査とは

  1. ヨード造影剤を使用して、血管の形態、血流状態を連続的に撮影し、動脈あるいは静脈の病変を診断する検査法です。
  2. 血管造営検査によるX線被ばくは中線量域で中程度です。
  3. そけい部などの動脈からカテーテルという細い管を目的の臓器まで誘導し、造影剤を用いて血管や腫瘍などを検査します。
  4. 検査前に検査について十分な説明と食事の制限、造影剤使用に関する問診表と検査承諾書が必要です。
  5. 検査時間は検査部位により大きく異なりますが、30分~2時間くらいです。

IVRとは

  1. 血管造影検査の手技を利用した治療法で、血管の狭窄部位を広げる拡張術や腫瘤に栄養を送る動脈を閉鎖させる動脈閉塞術などがあります。
  2. IVRによるX線被ばくは、手技により中線量域から高線量域になり、中程度から比較的高線量となります。
  3. 手技的には血管造影の延長ですが、血管内治療として高度な技術が必要です。
  4. IVRの効用とリスクについて十分な説明と同意が必要です。また、食事の制限、造影剤に関する問診表と検査承諾書が必要です。
  5. 治療時間は検査手技などにより大きく異なりますが、30分~2時間くらいです。
血管造影検査・IVR

核医学(RI)検査

核医学検査は、放射性同位元素(Radio Isotope)を用いて検査を行うので、RI検査やアイソトープ検査とも呼ばれています。

検査は、放射性医薬品(検査薬)を、患者さんに投与し、その取り込みをガンマカメラなどの検査装置を用いて画像化する検査です。

検査薬の取り込みを画像化しているので、臓器や組織の代謝や機能、血流などの情報が得られます。

検査薬を変えることで、骨、心臓、脳、肺、腎臓などのシンチグラム(RI検査画像)が得られます。

  1. 全身の目的部位の機能を画像としてとらえることのできる検査です。
  2. 主にガンマ線という放射線を放出する核種を使用して検査を行います。被ばく線量は低線量域で比較的少ないです。
  3. 寝台に横になり目的部位の撮影を行います。
  4. 検査の種類や部位により前処置(食事制限や下剤投与など)が必要な場合があります。
  5. 検査時間は20分~1時間くらいです(検査により数時間後、24時間後の検査があります)。
核医学(RI)検査

放射線治療

放射線治療とは、ガンマ線や電子線などの放射線を用いて、腫瘍などを治療することであります。

がんの治療には外科的な手術による方法と、抗がん剤による化学療法や放射線による治療が一般的に行われています。

それぞれに長所、短所があり、がんの種類や進行状況、部位により最善の治療法が選択され、多くの場合、これらを組み合わせた治療が行われます。

放射線治療を行う目的には、病気を治癒させることを目的とした根治的治療、また、病気の再発を防止する目的で、乳がん手術後の残存乳房に対して行う予防的放射線治療があります。

放射線治療